在宅勤務の環境を最適な空間にするコツ

働き方改革が促進するなか、ますます関心が高まっている「在宅勤務」ですが、従業員一人一人が自宅で仕事をする環境は、どれくらい整っているでしょうか?

中には自宅で働く環境が整っておらず、業務の効率化が図れない人もいます。

そのような状態が続くと、かえってストレスとなり、結果として生産性の低下を招くことになります。

厚生労働省でも「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」を作成し、テレワークを行う企業や労働者に作業環境整備をするように呼びかけています。

そこで今回は、従業員の在宅勤務時のワークスペース問題について、お悩みの企業の方々へ、在宅勤務を始める5つの「環境づくり」チェックポイントとその理由、取り組み方についてご紹介していきます。

在宅勤務における5つの「環境」チェックポイント

まずはじめに在宅勤務に必要な環境として、企業の方々が従業員のためにチェックすべき5つのポイントをご紹介します。更にその理由についても見ていきましょう。


1. 部屋の明るさ 

照明は暗すぎても、明るすぎても目を疲れさせてしまう。

適切な明るさが維持できないと、従業員の方の目が疲れてしまいます。さらに、オンライン会議などを行った際、照明が暗い場合は、顔が暗くなることで相手側に表情がよく見えないことによるストレスを与えてしまったり、逆に照明が明るすぎる場合は光がカメラに映り込み、相手側に眩しい思いをさせてしまうこともあります。

事務所衛生基準規則では、精密な作業においては照度300ルクス以上、普通の作業においては150以上と規定されています。部屋の明るさを適切に保つことが、在宅勤務の環境づくりの第一歩です。


2. 快適な温度設定

温度差は体への負担が大きい。

自宅では会社と違って自由に温度調整できるのがメリットではありますが、正しい温度で体調管理が出来ているでしょうか。

特に在宅勤務は通勤など外出の機会が減るため、室温と外気温の差に対応できず体への負担は大きくなります。

事務所衛生基準規則によると、気温は17度以上28度以下、相対湿度が40%以上70%以下など、細かい基準が設定されています。

エアコンを使って正しい温度調整を行い、快適な室温を保つことがポイントです。


3. 業務に適した机や椅子

机や椅子の高さが合わないと、肩こり、腰痛など体の不調に。

在宅勤務時に、自宅のダイ二ングテーブルで仕事をしている従業員もいると思います。

しかし、高さの合わない机や椅子で仕事をするのは、体に負荷がかかるだけでなく、精神的なストレスにもつながります。

事務所衛生基準規則にある椅子の基準は

●安定し、容易に移動できる
●座面高さが調整できる
●適当な背もたれがあり、傾きが調整できる
●肘掛けがある

ことがあげられています。

まずは机と椅子が適正であるかチェックすることが必要です。


4. 空気の入れ替え

集中力の維持につながる。

会社オフィスであれば、ミーティングや外出などで移動をする機会も多く、かつ人の出入りがあるため、意識することはありませんが、在宅勤務では限られた気密性の高いスペースに長時間留まる状態が続きます。すると、室内の二酸化炭素濃度が上がり、仕事のパフォーマンスが著しく下がることが指摘されています。

厚生労働省の建築物衛生管理検討会報告書では、二酸化炭素濃度が高くなると、倦怠感、頭痛、耳鳴り等の症状を訴える人が多くなるとされています。また、良好な室内空気環境を維持するには、二酸化炭素濃度を1,000ppm以下にする必要があると述べています。

適度に窓を開けるなど、空気の入れ替えを1時間に1回は行いたいものです。

しかしマンションなど住む環境によっては、窓を開けられない場合もあります。そのような場合は、換気ができるエアコンの設置が必要です。 また「換気扇」を上手に活用するのも、二酸化炭素濃度を下げる方法の一つにあげられます。


5. 適度な休憩

体がリフレッシュできないとストレスの原因に。

在宅勤務・オフィス勤務にかかわらず、デスクワークの方の場合、座りすぎによる疲労が懸念されます。

オフィスでは、休憩用のリフレッシュルームを設ける企業も増えてきていますし、オフィスで働く場合は、休憩時間が明確に設けられているケースが多いでしょう。

自宅でも同じようにリフレッシュスペースをつくったり、休憩時間を明確にして、適度なストレッチや休憩を行うことを推奨し、ストレスの軽減に繋げていくことが必要です。

在宅勤務になぜ環境チェックが必要なのか

在宅勤務を既に行っている、またはこれからはじめる場合も、在宅勤務の環境を企業側がチェックすることは、従業員との信頼関係にもつながるとても大切な問題と言えます。

  • 在宅勤務時の従業員のケア

直接顔を合わせる機会が減っているからこそ、定期的にオンライン上でケアをすることで、従業員のモチベーションを維持しましょう。

企業において在宅勤務を推進して行くには、従業員一人一人が自己管理をする必要があり、企業はそのサポート体制を築くことが大事です。

オンライン上で目に見えない環境であることは、デメリットもあります。しかし、在宅勤務を行うことは、結果として業務全体の効率を上げるとも言われ、その効果が期待されています。

快適な在宅勤務第一歩への実現へ

今や在宅勤務は働き方のひとつとして広く認知されてきています。しかし、在宅勤務を推奨することで業務効率がどうなるのか、まだ明確に答えが出ていない会社がほとんどではないでしょうか。

業務効率を上げるためにも、地味なことではありますが、まず目に見えない「従業員の在宅勤務時の環境整備」を見直すことは大切です。

  • 在宅勤務に向けた自宅のリフォーム

在宅勤務が普及するなか、国も補助に乗り出しだしたのはご存知でしょうか。

国土交通省では、2021年に在宅勤務用に自宅リフォーム費用の3分の1を上限100万円とし、補助する制度の創設を目指しています。
会社がオフィスをリフォームするのと同じように、従業員も自宅リフォームにより環境づくりの問題解決が期待できます。

自宅のリフォーム補助は以下のような項目を念頭に置いています。
  • 増築
  • 防音対策
  • 間切り設置
  • 省エネルギーや耐震性能の向上

上記を補助する「長期優良住宅リフォーム推進事業」の対象に在宅勤務向けの改修を加えると共に、補助を受けるための在宅勤務向けの審査基準などを検討しています。

まとめ

自宅の仕事環境が整っていれば、仕事に対するモチベーションが上がってくるかもしれません。

在宅業務の環境づくりにおいても、従業員ひとりひとりの在宅勤務の環境=働く場所としての未来をサポートすることで、新しい「働き方改革」がより良い方向に進んでいくと考えています。

是非この機会に在宅勤務の「環境」確認に取り組んでみてはいかがですか?